世の中の不思議

新型コロナウィルスのしくみ

こんにちは。おりーぶ薬局編集部の葵です。
3度目となる「緊急事態宣言」が発令し、2021年2月から「まん延防止等重点措置」も導入される中、全国的にまだまだ新型コロナウイルスの感染が拡大しています。
このような状況が長く続いているため、経済や生活スタイルの変化に伴い、ストレスを感じることが多くなったのではないでしょうか。

「新型コロナウィルスのしくみ」を知ることにより、少しでも不安を和らげることができればと思い、記事としてまとめてみました。

新型コロナウィルスってどんなウイルスなの?

現在、人に感染するコロナウィルスは7種で、そのうちの4種類は風邪の原因となるウィルスです。
残りの3種は「重症急性呼吸器症候群(SARS)」、「中東呼吸器症候群(MERS)」と7番目に発見された「新型コロナウィルス」です。この3種は肺に影響を及ぼす特徴があります。
※軽症例や無症状例もあります。

新型コロナウィルスの構造は?

新型コロナウィルスにはたくさんの小さな突起(スパイクタンパク)がついています。
この突起(スパイクタンパク)は「ACE2受容体」に結合します。

新型コロナウィルスが変異しやすいのはどうして?

人の遺伝子はDNAという物質でできており、DNAは2本の鎖(塩基配列)が絡み合っています。2本のうち、1本の鎖の一部が消失しても、向かい合うもう1本の鎖を参考に修復することができます。

新型コロナウィルスの遺伝子は「RNA(リボ核酸)」という物質でできています。
このRNA遺伝子は1本しか鎖がありません。もしその1本の一部が消失した場合、参考にする鎖(塩基配列)がないため、塩基の配列が変わったまま「変異ウィルス」になるのです。

新型コロナウィルスが人の細胞に侵入する方法とは?

人の細胞には、表面には「ACE2受容体」が存在するものがあります。
新型コロナウィルスの突起が人の細胞の「ACE2受容体」にくっついた時、ウイルスの外膜と人の細胞の膜が溶け合って細胞内に入ります。

新型コロナウィルスは人の細胞に侵入して何をするの?

新型コロナウィルスの遺伝子「RNA(リボ核酸)」には、自己のタンパク質を合成するための遺伝子情報がたくさん載っています。
しかし、ウィルスには自己の部位(外膜や突起など)のタンパク質を合成したり、自己のRNA(遺伝子情報など)を複製するための「装置」が不十分なのです。
自ら増殖することができないので、人や生物の細胞に侵入し、その細胞内にあるいろいろな「装置」を借りて操作し、自己のタンパク質を合成したりRNAを複製しているのです。

人のどの部分・臓器にACE2受容体があるの?

人にはACE2受容体があらゆるところに存在します。
上気道(鼻、咽頭、口腔など)の粘膜、肺の細胞、小腸の細胞、心臓・肝臓・腎臓・脳・膵臓などの細胞表面に存在しています。

新型コロナウィルスが肺炎を起こすまでの流れ(一例)

①上気道の受容体でウィルスを増やします。
②数を増やしたウィルスは下気道(気管支、肺)に移動します。
③肺炎を発症させる

一人ひとりができること

新型コロナウィルスの流行は1年以上の時が経ち、いろいろ分かってきました。しかし、正体を解明するまでにはまだまだ時間が必要です。

私達は情報過多の日常で、正しい情報を見極めることが難しく、右往左往させられることも往々にしてあります。
今正しいと言われていることが、今後調べていくなかで誤りだった、ということもあるかもしれませんが、そのことを踏まえた上で、一人ひとりができることを続けていかなくてはなりません。

新型コロナウィルス対策と共に、自分にあったセルフケアなどで身体と心をいたわり、ストレスに打ち勝つ強さを持てるようになりたいものです。

参考元
ビジネス社出版 (2021/3/22) 近藤 誠「こわいほどよくわかる 新型コロナとワクチンのひみつ」
おりーぶ薬局編集部 葵

おりーぶ薬局編集部 葵

Webディレクターの葵です。医療や薬剤については素人ですが、おりーぶ薬局の皆さまにご教示いただきながら、世の中の不思議をテーマに、学んだことを記事にまとめていきたいと思います。